信託報酬とは — 投資信託の運用コストと長期リターンへの影響
信託報酬とは、投資信託を保有している間、毎日少しずつ差し引かれる運用管理費用のことです。年率(%)で表され、運用会社・販売会社・信託銀行に支払われます。
信託報酬は基準価額から自動的に差し引かれるため、別途請求されることはありませんが、確実にリターンを押し下げます。年0.1%のファンドと年1.5%のファンドでは、長期保有でリターンに大きな差が生まれます。たとえば年5%で成長する商品でも、信託報酬1.5%なら実質3.5%に目減りします。
インデックスファンドは年0.1〜0.3%程度、アクティブファンドは年1〜2%程度が目安です。同じ指数に連動するインデックスファンドなら、信託報酬が低いものを選ぶのが基本です。新NISAのつみたて投資枠の対象商品は、低コスト基準を満たしたものに限られています。
コストの差を数字で見ます。毎月3万円を30年、運用が年5%だった場合、信託報酬が年0.1%なら約2,451万円、年0.5%なら約2,278万円、年1.5%なら約1,906万円です。運用成績が同じでも、コストだけで数百万円の差がつきます。
信託報酬は運用会社・販売会社・信託銀行の3者に配分されます。同じ指数に連動するファンドで信託報酬が違うのは、運用の巧拙ではなく主に運用会社の価格戦略の違いです。2020年代に入り、主要な全世界株式・S&P500のインデックスファンドは年0.1%を下回る水準まで下がりました。
目論見書の『運用管理費用(信託報酬)』のほかに、売買委託手数料や監査費用などの『その他費用』もかかります。両方を合計した実質コストは運用報告書で確認できます。信託報酬が同じなら、実質コストの低い方が有利です。
信託報酬の差が30年でいくらになるか
毎月3万円・30年・運用が年5%の場合の目安。信託報酬の分だけ実質利回りが下がる前提で計算しています(税引前)。
| 信託報酬 | 30年後の資産(目安) |
|---|---|
| 年0.10% | 2,451万円 |
| 年0.50% | 2,278万円 |
| 年1.50% | 1,906万円 |
よくある質問
Q. 信託報酬はいつ、どう払うのですか? A. 別途請求されることはなく、基準価額から毎日少しずつ差し引かれます。『年率0.1%』なら日割りで毎日およそ0.0003%ずつ引かれているイメージです。
Q. 信託報酬が高くても成績が良いなら問題ない? A. 理屈ではそうですが、コストを上回る成績を長期で出し続けるアクティブファンドは少数です。将来の成績は分かりませんが、コストは確実にかかります。
Q. 信託報酬の相場は? A. インデックスファンドで年0.05〜0.3%程度、アクティブファンドで年1〜2%程度が目安です。新NISAつみたて投資枠の対象商品は、金融庁が定めた上限(国内株式型で年0.5%以下など)を満たしています。
出典・最終確認
金融庁「NISAを知る」(fsa.go.jp/policy/nisa2)。最終確認:2026年9月7日。制度は改正されることがあります。実際の判断は最新の公式情報でご確認ください。
信託報酬は「年率」なので、保有期間が長いほど累計負担が大きくなります。30年保有するなら、わずか0.5%の差でも最終的な資産額に数十万〜数百万円の違いが出ます。

